僕等は真夏の午後、汗ばむような蜃気楼の中で出会
った。夏草が茂る操車場で、将来を夢中になって君
に話した。そして心の何処かで、この夏が永遠に続
くような気がしていた。君が東京に帰るという、夏休み
最後の日が来るまで――。そんな誰もが少年だった
頃、一度は夢見る『夏の少女』とのベタな風景。
『用例』
走り始めるバスを追う少年イロ。窓から『麦藁帽子』
を押さえながら身を乗り出す少女。
イロ:「約束だよ………きっとだよ!」
少女:「うん……来年もまた会えるよね。」
イロ:「会えるよ。待ってるから……俺…待ってるから」
少女:「アタシ、手紙書く。」
イロ:「え?」
突然速度を上げるバス。イロ少年、離されて行く。
少女:「きっと………きっと手紙書くから!」
(posted by イロ室長)