タクシーの運転手が珍しい客を乗せたという話題のときに必ず口にのぼるもの。のせた客は消えて、座席が濡れていたというベタシチュエーション。なぜ、座席が濡れていたなどの疑問は一切解決することはないが座席はとにかく濡れているのである。
『用例』
雨の強いある深夜の日。
タクシーに乗ったサラリーマン。
サラリーマン:「新宿駅南口までお願いします」
運転手:「あ、はい」
サラリーマン:「雨強いですねぇ」
運転手:「そうですねぇ。そうそう。昔、鎌倉あたりで雨にびしょぬれに濡れた女の人を乗っけたことがあるんですよ。」
サラリーマン:「へぇ。なんか聞いたことあるような話ですね」
運転手:「いやいや。ホントですよお客さん。でね、その女の人はまっすぐ言ってください。って言うだけで目的地を言わないんです。あっしも困ってねぇ。とりあえずずーっとまっすぐいったんだけどさぁ」
サラリーマン:「で?」
運転手:「でね、どこいくんですか?って聞いても全然返事もしやしないんですよ。で、後ろを見てみるとのせたはずの女の人が消えてたんですよ。あっし、あわてちゃってね。急いで車を止めて座席をさわってみたら確かに座席が濡れてるんですよ。怖くてねぇ」
運転手が、ルームミラーを見るとサラリーマンは消えていた。
(Posted by うり)