2005年10月01日

《青春のバイブル》夜汽車にのって知らない町を目指そう

 人はみないつの時代も新しいものを発見する為に移動を繰り返す。そう、しゃかりきコロンブスのようにである。自らが属する【ここ】ではない【どこか】へと、刺激を求め、居場所を求めて、憧れの【どこか】で見聞を広めたいと願っている。そして若者はその【どこか】で本当の自分自身を発見し、大人になってゆくのである。
 もし君が、【ここ】での日常があまりにもちっぽけで、あまりにも陳腐だと感じたら、夜汽車にのって知らない町を目指すのだ。人生というレールを走る汽車は、他ならぬ君なのだから。

§なぜ「夜汽車」なのか?

 夜汽車に表示される終着駅は、昼に見る汽車のそれとは違い、きっと他府県であろう君の知らない駅名。君の目にはその終着駅が、期待と不安の輝かしい明日と映るのであろう。この夜汽車にのれば、【ここ】ではない【どこか】へと連れて行ってくれる。夜汽車の中で疲れて寝てしまえば、夜明けの日の光が「新たな始まりよ」と、優しく起してくれる。君はそんな夢を夜汽車に見るのである。終わりから始まりへの「希望の光」なのである。

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§典型的なケース

・理解の無い教師、愛の無い親に嫌気がさした場合。
・此処での評価に満足できずに、本当の評価を受けたくなった場合。
・暴力団と繋がっている町の権力者に目をつけられ、命が危なくなった場合。

§行動を取り巻く条件

・凛と凍りついた真冬が望ましい。
・澄んだ星空に恋人の星座がきらりと光っている。
・見知らぬ行商の男から、果物を分けてもらう。


§ケーススタディT(学生 16歳 男)

いつも『あいつ』は寝ていた―――。

僕の高校は進学校で、一年から受験のお勉強が強いられるわけだけど、なんとなく僕はしっくりこなくて・・・。「ただ単についていけないだけじゃない?」なんて、嫌味な加藤は言うんだ。いや、そうじゃないんだよ……将来も大切だと思うけど、みんなは今を楽しんでいるのかなって、もっと何かやるべきことがあると思うんだよ・・・「へっ、お前みたいにドロップアウトしてたら、一生浮かび上がれないよ」はは・・・そんなもんかな・・・。
自習が通例となっている自由時間に、僕は提案してみたんだ。「みんなで気球を作くろう」って、、、そしたら教室は失笑の笑いで埋まったよ。僕も悔しいから、一人で作ったんだけど、浮かぶことは無かったんだ、ぼろぼろで・・・・・・なんか、どうしょーもなく、さびしかったんだ・・・・・・
荷物を纏めて家を飛び出したのはその日の夜。行く当ても無かったんで『あいつ』の所に行ったんだけど、僕は驚いたね。寝ている筈の『あいつ』が今にも動き出そうとしていたんだ……
「さあ、のれよ」え?!・・・僕に話しかけたのは君かい・・・すごい、すごいよ。僕は『あいつ』の言葉に甘えて吸い込まれる様にのったんだ。

……それから僕は『あいつ』と―――。

§ケーススタディU(会社員 34歳 男)

残業が終わって会社を出た時には、既に明日となっていました。
最終電車に間に合うように急いで駅に向かうと、事故の影響で電車の到着が遅れているようでありました。赤ら顔のサラリーマンが溢れているフォームでは、私と同い年ぐらいのサラリーマンが酔いつぶれて誰かの嘔吐物の上で寝転んでいました。
向かいのフォームに、夜行列車が見えました。そのフォームにはそれに乗るであろうギターを抱えた若者の姿も見えます。それはそれはいい表情をしている―――これからどんな試練が待ち受けていようとも、どんな苦痛に見舞われても、それを乗り越えてゆく決断の顔・・・それに比べここにいる連中は如何だろう―――疲れた顔でアルコール臭い息を吐きながら、それを全て由として他人のような顔をしている―――
・・・・・・ここにいたら駄目になる。
そう思うと同時に私は走り出していました。―――会社を辞めることになるだろう、いやそれでも良いんだ。もともと望んで入った会社でもないし。出来るなら、あの若者に声をかけてみよう。そして君の夢を聞かせてくれないか―――あのフォームに向かって、あの夜行列車に―――。

(posted by mirada)
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